今回は過去問を丸暗記して覚えてしまう危険性について解説します。
こんな風に思ってはいけません。あまり良くないのです。
過去問を丸暗記するだけでは、本試験で点数を取れなず不合格になってしまう可能性があります。
今回は、その理由について次の観点から解説します。
- 宅建の過去問を覚えてしまうのがヤバい理由
- 宅建の過去問を丸暗記しないで覚える勉強法
- 宅建の過去問を覚えてしまって不安な時
通信講座を利用して2回目で合格したM・クボイが、実体験を交えて解説します。
過去問を丸暗記してしまっている方は必見ですよ。
宅建の過去問を覚えてしまうのがヤバい理由
「過去問が重要」だと言うことは、このサイトで何度も言及しています。
確かにそうなのですが、ただ過去問を覚えれば良いというわけではありません。
ここでは、その理由について解説します。
丸暗記は覚えづらいし忘れやすい
過去問の丸暗記は覚えづらく、忘れやすいです。
人間の記憶は、不要なことを覚えるようにできていません。
脳ミソは、常に楽をしようとします。そのため、脳は不要なことは忘れ、必要なことだけを覚えようとするのです。
ただ暗記するだけだと「この情報は無駄だ」と脳が判断し、忘れやすくなります。
知識を定着しやすくするには「これは必要な情報だ」と脳に思わせると良いでしょう。そこで重要なのが「意味づけ」です。
意味づけとは、物事に意味や理由を与えたり、価値を持たせることです。
例えば、宅建士の独占業務である「35条書面」は、様々な説明義務があります。ただ「売買の場合における建物の設備」については「説明不要」です。
これはなぜか分かるでしょうか?
これは「家が買主のものになるので、気に入らなければ自分で替えることができるから」です。
このように覚えようとすると、脳はすぐ忘れてしまいます。
「なぜなら」という意味や理由を必ずセットにして覚えましょう。
そうすると、グッと覚えやすくなりし、忘れにくくなりますよ。
丸暗記はそのうち頭がパンクする
丸暗記はそのうち頭がパンクします。
脳が処理できる情報にも限界があるからです。
特に「不要」だと感じたことは、全く脳に残りません。負担がかかるばかりで、脳にとってメリットが無いからです。
丸暗記だけでは覚えづらいことは、先ほど申し上げた通りです。
脳に定着させるには「この情報には意味がある」と認識させる必要があります。
丸暗記するだけでは、殆ど記憶に残らないことを理解しておきましょう。
過去問を解きまくってるようで解きまくってない
過去問を丸暗記している方は、過去問を解いているようで解いていません。
「過去問を解く」とは、ただ問題をこなすことではないからです。
過去問は「理解度を測るツール」です。学んだ知識が定着しているか確かめるためにあります。
4つの肢を解く際、正しい理由や間違っている根拠について説明できるでしょうか?
これができていなければ、過去問を解きまくってるとは言えないでしょう。
過去問を解くだけで暗記できてない
漫然と過去問を解いている方は、暗記すら難しいでしょう。
なんて解き方をしていませんか?正しい選択肢が分かるだけでは、過去問を解いている意味がありません。
肢を選んだ根拠を、第3者に説明できるまで理解を深めていく必要があります。
模擬試験も本試験も点数が伸びない
過去問の丸暗記では模擬試験も本試験も点数は伸びません。
試験では応用問題や類似問題が出題されるからです。
例えば、次の問題を見比べてみましょう。
この問題は2問とも、同じ「35条書面」について聞かれています。
令和3年10月問36
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、同法の規定に少なくとも説明しなければならない事項として掲げられていないものはどれか。
- 建物の貸借の媒介を行う場合における、「都市計画法第29条第1項の規定に基づく制限」
- 建物の貸借の媒介を行う場合における、「当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容」
- 建物の貸借の媒介を行う場合における、「台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況」
- 宅地の貸借の媒介を行う場合における、「敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項」
令和3年12月問35
宅地建物取引業者が宅地及び建物の売買の媒介を行う場合における宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明及び重要事項説明書の交付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引士は、テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うときは、相手方の承諾があれば宅地建物取引士証の提示を省略することができる。
- 宅地建物取引業者は、その媒介により売買契約が成立したときは、当該契約の各当事者に、遅滞なく、重要事項説明書を交付しなければならない。
- 宅地建物取引業者は、重要事項説明書の交付に当たり、専任の宅地建物取引士をして当該書面に記名させるとともに、売買契約の各当事者にも当該書面に記名させなければならない。
- 宅地建物取引業者は、買主が宅地建物取引業者であっても、重要事項説明書を交付しなければならない。
どうでしょうか?問題の内容は全く違うことが分かります。しかし、同じ「35条書面」について聞かれている問題なのです。
一口に35条書面といっても、様々な形で出題されます。過去問を丸暗記するだけでは、到底カバーしきれません。
そもそも、35条書面について丸暗記だけで覚えきることが難しいでしょう。
宅建試験の問題を解くには、問われている知識の本質的な理解が必要なのです。
ですから過去問の肢の✕の理由を述べられるように、暗記せずに過去問を解きまくってください。
宅建の過去問を丸暗記しないで覚える勉強法
では、過去問を丸暗記せずに覚えるには、どのように勉強したら良いでしょうか。
ここでは、その具体的な方法について解説します。
とにかく過去問の丸暗記をやめる
まずは過去問の丸暗記をやめましょう。
脳が「不要だ」と感じた情報は、すぐに忘れ去られてしまいます。
制度の仕組みや、どのような場面で使われるものなのかを理解しながら勉強すれば、暗記せずとも自然と知識が定着します。
せっかく過去問を解いているのですから、効果的に勉強していきたいところです。
最初にテキストを分野ごとにさらっと読む
過去問を解く前に、テキストを分野ごとにさらっと読むと良いでしょう。
制度の仕組みや理由が分かり、情報をインプットしやすくなります。
その際、テキストを読み込む必要はありません。全ての情報をインプットするのは不可能だからです。
サッと読んで、過去問を解き、分からなかった部分をまた読み返す…という流れで勉強しましょう。
すぐ分野ごとに過去問を解く
テキストを読んだら、すぐに分野ごとの過去問を解きましょう。
インプットとアウトプットを繰り返すことで、記憶は定着しやすくなります。
など、考えながら解けば、理解も深まりやすくなるでしょう。
慣れてきたら、過去問を先に解き、分からない部分をテキストで確認するようにしましょう。
過去問は1肢ごとに誤りの理由を心で述べる
過去問は1肢ごとに誤っている理由を心で述べましょう。
理由を説明できる肢は、理解が出来ている証拠だからです。
逆に理由を説明できない肢は、理解が足りないという証拠。
付箋などを貼っておき、あとで見直しましょうね。
間違えた時は過去問解説で確認
間違えた問題は、必ず解説を確認します。
なぜ間違えたのかを振り返れば、確実に理解が深まるからです。
また、問題に正解できても、意味が分からない肢があった場合は振り返りましょう。
理解できていない部分を1つ1つ潰していくことで、合格に近づいていきます。
過去問解説の意味がわからない時にテキストで確認
過去問解説の意味が分からない時は、テキストで確認しましょう。
過去問の解説はスペースが限られているため、全てを補足しきれないからです。
テキストは、かなり細かく解説されています。
上手に使えば、知識を定着させるのに役立ちます。
過去問解説で気づきを発見したら記憶に刻まれる
という発見があると、記憶に刻まれやすくなります。
人は、感情が動いた場面や腑に落ちた場面をよく覚える生き物です。
重要だと感じるからですね。
そのため、解説を読み込んで気づきを得られれば、記憶に残しやすくなるでしょう。
【通信講座】宅建の過去問を覚えてしまって不安な時
という方は、一度通信講座の利用を検討してみましょう。
丸暗記したことはすごいですが、正答数にこだわって過去問を解いた人が合格できる可能性は低いです…。
せっかくの努力を無駄にしたくはありませんよね。
通信講座なら、勉強方法や重要ポイントを丁寧に指導してくれます。初学者も6ヶ月で合格できるようにカリキュラムが組まれています。
ですから、ここまで頑張ったあなたには、さらに効果的なはずです。
当サイトでもおすすめの通信講座を解説しておりますので、ぜひご覧なってください。
【まとめ】宅建の過去問を覚えてしまう
ここまで、宅建の過去問を覚えてしまうリスクについて解説してきました。まとめると次のようになります。
- 過去問の丸暗記で合格できる可能性は低い
- 宅建の勉強は「意味づけ」が重要
- 不安な時は通信講座を利用する
せっかく努力しても、方向性が間違っていては報われません。
丸暗記するには、膨大な労力と時間が必要だったはずです。それを無駄にしたくはありませんよね。
そんな方はぜひ通信講座を利用し、あなたの努力を、合格へつなげてください。