今回は宅建試験を独学で合格するための勉強時間について解説していきます。
独学で学習する時は、積み重ねた学習時間が自信に変わります。学習時間の目安やスケジュールの管理方法をおさえておくだけで、一気に合格へ近づきますよ。
そこで今回は、次のような内容について詳しく解説します。
- 宅建試験を独学で合格するための勉強時間は300時間
- 宅建試験に独学で合格する勉強時間を作る方法とコツ
- 宅建独学者が勉強時間のスケジュール管理できない時
独学者は学習時間を作り出すこと、スケジュールを管理することが合格の肝になります。それでは、詳しくみてみましょう。
宅建試験を独学で合格するための勉強時間は300時間
宅建試験を独学で合格するため勉強時間は、300時間と言われています。宅建は専門用語が多いうえに、範囲が莫大なので、多くの勉強時間を要するのです。
ただし、各々の条件によって、勉強時間は多少前後します。
ここでは、初学者と経験者の勉強時間の違いや分野別の勉強時間などについて見てみましょう。
初学者の勉強時間
初学者の勉強時間は350時間~400時間です。
宅建試験では、普段聞きなれないような難解な専門用語が大量に出てきます。ただでさえ学習範囲が広い宅建試験。テキスト読み進めるために、専門用語を調べていると、かなり時間を取られてしまいます。
例えば、建築基準法の法令を一文には次のようなものがあります。
(防火壁等)第二十六条 延べ面積が千平方メートルを超える建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によつて有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ千平方メートル以内としなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
読むのを拒否したくなるような専門用語や読みづらさですよね。
初学者は、このような慣れない文章と戦う必要があるので、400時間近くの勉強時間が必要になることもあります。
経験者の勉強時間
経験者の勉強時間は200時間~300時間です。
経験者の圧倒的なアドバンテージは「土台」が出来上がっていることです。宅建試験の経験者はもちろん、建築や民放に関する学習を行ったことがある方は、専門用語のリサーチや法令を読み解く時間をカットすることができます。
とはいえ、1度宅建試験に合格できなかった方は、学習時間が足りていなかったり、学習方法が間違っていたりする可能性もあるでしょう。
やみくもに学習時間を積み重ねるだけでなく、学習の質も高める工夫をしていきましょう。
合格するための期間は6ヶ月
合格するための学習期間は6か月と言われています。合格する多くの人たちが試験の6か月前から学習を始めています。
6か月である理由は、無理なく学習プランを立てられるからですね。
初学者を例にとってみましょう。初学者は350時間~400時間の学習時間が必要です。これを180日間で割ると、大体1日2時間~2・5時間の学習時間になります。
1日に4時間も5時間も学習することはおすすめしません。忙しい社会人は、時間を捻出するのが難しいでしょうし、なにより学習効率が落ちるからです。
学習効率と生活のバランスを大事にしたい方は、無理なく学習を継続できる試験の6か月前から学習を始めましょう。
分野別勉強時間
分野別に割り振るべき勉強時間が異なります。時間は次の通りです。
科目 | 勉強時間 | 出題数 |
権利関係 | 約110時間 | 14問 |
宅建業法 | 約140時間 | 20問 |
法令上の制限 | 約70時間 | 8問 |
税・その他 | 約40時間 | 8問 |
宅建試験は分野ごとに出題数が異なっています。宅建業法は、比較的難易度が低いうえに、出題数が多いので、割くべき勉強時間が一番多くなっています。
それでは、具体的な学習時間について、分野別にみてみましょう。
権利関係
権利関係は約110時間の勉強時間が必要です。理由は次の通りです。
- 出題数が14問と多い
- 見慣れない単語や読みづらい文章が多く、手間取る
初学者にとって、最も難解なのが権利関係。内容は当たり前のことを書いてあるのですが、文章や言葉が非常に分かり辛いのです。
とはいえ、出題数は14問と宅建業法の次に多めです。優先度を下げて、点数を落とすわけにはいきません。
必ず時間をかけて学習しましょう。
宅建業法
宅建業法は、最も学習時間を割きたい分野です。理由は次の通り。
- 出題数が20問と多く、得点源になる
- 学習内容が比較的簡単で覚えやすい
宅建業法は、宅建試験の得点源ともいえる分野です。法律といえど、内容が比較的簡単なうえに、学習量もそこまで多くありません。なので、合格できるかどうかは、宅建業法でどれだけ得点を稼げるかにかかっています。
「宅建業法は満点」
これをスタンダードにしてください。そのためにも、140時間ほどの学習時間が必要です。
法令上の制限
法令上の制限は約70時間ほどの学習時間を取りましょう。こちらは最もコスパの悪い分野です。理由は次の通り。
- 範囲が莫大なのに出題数が少ない
- 暗記しきれないほど決まりごとが出てくる
テキストを読み進めていると、殆どの方が一度は挫折する「用途制限」という表が出てきます。こちらの表は覚えても、出てくるものはごく一部という、非常にコスパの悪い科目です。中には、ここを捨てて他の分野で学習時間を割く人が出るほど。
法令上の制限は、あまり時間をかけすぎるのは得策ではありません。要点だけおさえてサクッと学習しましょう。
税・その他
税・その他は税制度や不動産鑑定に関する分野です。8問とありますが、税制度や不動産鑑定に関する出題は3問のみ。あとの5問は「免除科目」と呼ばれる、地質や統計に関する問題です。便宜上、税・その他に入れています。
税・その他のテキストには、ほとんど過去問に出題されていないものも多く書かれています。コスパが悪いので、過去問を中心に対策し、あまり入れ込まないようしましょう。
統計に関する問題は、過去問では対策できません。試験2~3週間前に、最新データを見て対策するといいでしょう。
全く学習しなくていいわけではあいりませんが、優先度は最も低いです。他の科目の進捗度合い応じて、学習範囲を調整していきましょう。
宅建試験に独学で合格する勉強時間を作る方法とコツ
宅建試験に独学で合格したい方は、学習時間の捻出とプランニングが重要です。
社会人で忙しい方は、特に勉強時間を作りだすのが難しいと思います。
そこで、ここでは、独学で勉強する方が、合格するための勉強時間を作る方法とコツについて解説していきます。
最初は細かいことを気にしない
最初は細かいことを気にせず、概要をつかむイメージでざっくりテキストを読み進めていきましょう。そうすることで、学習時間を短くすることができます。
最初から完璧に読み込もうとすると、膨大な時間と労力が必要になってしまいます。それでは継続するのが難しくなるでしょう。最初は分からないこともあって当然です。複数回読んだり、他の科目を学習したりするうちに分かるようになるので安心してください。
普段忙しい方は、まずはざっくり読み進め、学習時間を短縮することで時間を作りやすくしていきましょう。
過去問をやりまくる
効率よく勉強するためには、過去問を解きまくりましょう。そうすると無駄な勉強時間を費やす必要がなくなります。
過去問の選択肢を1つ1つ理解しながら解くことで、より早く理解度が高まり、その後の学習も効率化されていくので、学習時間の短縮にもつながります。
その際に気を付けたいのが、過去問の「解き方」。
正解や不正解に終始するような解き方では、一向に理解度は高まりません。過去問は、自分の理解度を知るために行うものです。
4つの選択肢について「正・誤である理由」を言えるようにしながら、過去問を解きましょう。
正しく過去問を解けば、効率よく学習することができます。無駄な時間を作らないためにも、過去問を正しく、できるだけ多く解くようにしましょう。
宅建業法が特に大事
過去問を中心に宅建業法を学習していくことも、学習時間の効率化につながります。
宅建業法は、最も出題数が多いうえに、簡単なので得点源になる分野です。出てくる問題も、ほとんど過去問と変わらないものばかり。学習すればするほど、リターンが多い科目と言えるでしょう。
「勉強の時間が全く作れない!」
という方は、過去問を中心に宅建業法を最優先に行うようにしましょう。点数が簡単に取れるので、他の科目に注力するよりも学習のコスパを高められます。
第三者に説明できるか
過去問を解く際は「学習内容を第三者に説明にできる」まで理解することで、学習効率を高められます。
過去問を「解いただけ」で理解が深まらず、学習した時間が無駄になってしまいます。
過去問の学習効率を高めたい方は、肢1つ1つについて、第三者に「正誤の理由」を説明できるようにしましょう。説明するためには、知識について深く理解していなければなりません。
このように考えて学習するだけで、理解度が深まりやすくなり、学習効率が一気に上がります。短い時間の中で成果を出したい方は、「第三者に説明できるかどうか」を1つの目安にして学習してみてください。
宅建独学者が勉強時間のスケジュール管理ができない時
宅建を独学で行っていると、勉強時間のスケジュールを立てるのが本当に大変ですよね。
そんな方は通信講座を利用するといいでしょう。
宅建試験の学習時間は300時間前後と言われていますが、これは効率的に学習できる人に限ります。
宅建試験は専門用語が多いのが特徴です。そんな中、独学者は自分で調べながら学習するので、どうしても効率が落ちてしまいがち。
特に、初めて学習する人は
- 何に、どれだけ時間をかけるべきか
- どれくらい時間がかかるのか
などが分からないので、スケジュール管理は困難を極めるでしょう。
「自分でスケジュールを管理するのは面倒くさそう…」
という方は、通信講座を利用するのがおすすめです。
通信講座であれば、スケジュール通りに勉強すれば、初心者でも合格できるように講座が組まれています。その通りにやればいいので、宅建の勉強に集中できるのが魅力です。
また、分からない部分を丁寧に解説してくれるうえ、出題傾向や合格のためのコツも教えてくれます。自分で調べる手間が減るので、学習効率を大きく向上させることができるでしょう。
多少費用はかかりますが、無駄な学習をすると、一年を棒にふることになります。通信講座は比較的安価なので、調べる手間などを考えると非常にコスパの良い投資です。
「初めて宅建試験を受ける」
いいね「自分でスケジュール管理するのは面倒くさい」
といった方は、ぜひ通信講座を利用しましょう。